30周年記念「ブラインドスキーサミット2015」が、毎日新聞社 点字毎日の取材を受け、12月3日号の新聞紙面に掲載されました。

ブラインドスキーサミット2015
シーズン迎え情報支援
神奈川県ライトセンター5団体が参加

今年8月に設立30周年を迎えた「かながわブラインドスキークラブ」 (渋谷清二会長)が10月、スキーを楽しんでいる他の視覚障害者のグループを招き、記念シンポジウム「ブラインドスキーサミット2015」を横浜市旭区の神奈川県ライトセンターで開いた。参加したグループはそれぞれ、これから始まる雪のシーズンにツアーや講習会を計画しており、そこに向けて熱心な情報交換を行った。そして、同じスポーツを楽しむメンバー同士で親睦を深めた。
参加したのは、同クラブと同じく神奈川県内を拠点とする「だいすきークラブ」、東京都内から「TABS(タブス)」と「シー・ハイル」の2団体、そして富山県から「三つ星山の会」の計5団体。
それぞれ活動の現状を報告した後、代表者がパネリストとなってパネルディスカッションが行われた。
まず、情報交換では、視覚障害のスキーヤーを誘導する際の方法について、各団体での実践を参考にしながら研究した。

声で方向と状況を指示する方法では、使い勝手の良い拡声器や無線機など使用する機材についても関心が集まった。また、昨今のスキー場ではスノーボードを楽しむ若者が増えていることから、安全確保の観点で彼らの動きを察知するパートナーの役割が高まっているとの指摘もあった。このほか、ガイドのための講習の持ち方や首都圏からツアーで訪れる際に地元の支援団体やスキー場関係者の協力を取り付ける際のノウハウの交換なども行われた。
次に課題の共有では、参加する視覚障害者、パートナーとも高齢化が進んでいるとの問題意識が多くの団体に共通していた。バブル期のスキーブームの後、人気の低迷が続いていることもあってか、パートナーにも新しい人材の確保が難しくなっているとの指摘が目立った。雪国の富山県でもスキーを楽しむ視覚障害者は少なくなっているといい、競技スキーに出場する選手が足りず種目が成り立たない実態もあると報告があった。
スキー場では周囲のスキーヤーやスノーボーダーに視覚障害者がパートナーと一緒に滑っているのを知ってもらう必要があり、ブラインドスキーに対する周知が、視覚障害当事者にも社会全体に向けても改めて求められていることを確認した。
点字毎日12月3日号
(出典:毎日新聞社)